君等の遺した最後の手紙は。(仮)
次は水樹愛桜依ちゃんに声をかけようと思う。
自己紹介でバド部に入りたいって言っていたから声をかけておいて損は無いだろう。

「えっと…水樹愛桜依ちゃんって言うんだよね…?中間東出身の江川未侑です!バド部入る予定なんだよね?同じくなんだ!よろしくね!」
「よろしく〜!バド部!中学でもしてたんだ〜 南中出身だよ!」
どうやら隣の中学だったらしい。全然知らなかった。
「あたし未侑ちゃんのこと知ってたよ!」
え、どうして…?
そんな思いを読み取ったのか
「部活、大会の時めっちゃ目立ってたもん」
そうにこりと笑う
「ペアの子…華穂ちゃんだっけ?可愛かった〜」

ーずきり。
深く傷ついていた傷口がぐいっと抉られる。
痛い…痛いよ… 心が痛い…。

だけどもちろん彼女に私の傷が見えることも無く、心配かけたくないから、ちゃんと笑顔を作る。
「だよね!華穂、めっちゃ可愛くて自慢のし…自慢の友達なんだ!」
裏切られたように感じている今、彼女のことを親友とは言いきれない。それでも華穂は自慢の友達だからこれは本当のこと。

「そうなんだ!未侑ちゃんも負けず劣らず可愛いよ〜!」
そんなわけが無い。
「いやいやいや…それはないよー。愛桜依ちゃんの方が普通に可愛いわ。」
「こっちこそないよ!…これ永遠続くやつじゃん」
可愛い可愛くないの言い合いはどちらかが認めない限り永遠に続く。これは女子の常識みたいなものだ。
女は謙遜し、謙遜されないと気が済まないらしい。
「とりあえずこれからよろしく!」
「こちらこそよろしくね!!」

そんな風に何人かと話した後、お姉ちゃんがここまで来てくれたので、帰宅することにした。


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