愛しい君を殺したのは誰?
すぐに、奏は、マンションを引き払い、先生の所に住み始めた。

『隼人、また遊びに来てよ』

それが最後。

嬉しそうに、手を振る君。

幸せに…

なって欲しい…

君が幸せなら、それでいい。

物分りのいい自分を、無理やり作った。

粘土で人形を作るように、自分の心を持たない自分を、僕はただ黙々と作ったんだ。

それから僕は、奏とたまに連絡を取ってはいたが、あまり会うことはなく、退屈な毎日と仕方なく向き合っていた。

そして、暑い不快な夏も過ぎ、秋もずいぶん深まった頃、奏から突然1本の電話が入った…




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