愛しい君を殺したのは誰?
僕は、警察に逮捕されて、檻の中に閉じこめられた。

でも、誰も助けに来てくれる人はいない。

奏も、僕の両親も…

まるで、心を閉ざした子どものように、うづくまって小さくなって…

僕は、ずっと下を向いていた。

さっき、取り調べで、僕は、衝撃的な言葉を聞いてしまった。

奏が…

殺された。

殺されて、ベッドに寝かされていた…って。

台所にあったナイフで胸を刺されて…死んでしまったらしい。

僕が…

握りしめていたナイフが凶器だって言われた。

でも…

不思議な感覚がするんだ。

奏は、死んでいないって…

優しい奏、子どもの頃、毎日のように遊んだ、可愛い奏。

僕が悲しい時に、ずっと傍にいてくれた奏は、やっぱり生きている。


< 46 / 58 >

この作品をシェア

pagetop