Open the door -運命の彼は日本代表?-

ハナエさんは、この会話のことをお孫さんが帰省するころにはきっと忘れているんだろうな。
だってこの会話も、3日前に同じ帰りの車の中で、話したばかりなんだから。

だからこの時、私の『紹介してください』って言葉だって、ハナエさんがこの会話の流れそのものを忘れるんだろうなって思ってたんだ。

軽い冗談というか、ビジネストークっていうか……。

ハナエさんの淋しさを少しでも軽くしたくって、自然に口にしてしまった一言。

それだけのつもりだったのに。

まさか、これが私の運命を変えることになるなんて。

この時はまだ、私も、もちろん隣に座るハナエさんだって知らなかった。


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