Open the door -運命の彼は日本代表?-
瑛人さんみたいな有名人が、地方に住む平々凡々な私と付き合おうって言うなんて、これはドッキリなんじゃないの?
私は周囲をきょろきょろと見渡す。
まぁ、当たり前だけど隠しカメラなんてものは見つからない。
って、言っても隠しカメラがどんなものか知らない私には見つけようがないのだけれど。
私が周囲を用心深く見ていることで、きっと瑛人さんには私が考えていることが伝わったのだろう。
息を漏らすように小さく笑う。
そんなに笑わなくたって……
眉間に皺を寄せながら、視線を送ると「ごめん、ごめん」なんて可笑しそうに謝りながら瑛人さんは表情を引き締める。
「俺は、みなみがいいんだ」
時が止まったかと思った。
息の仕方すら忘れてしまったような感覚だった。