Open the door -運命の彼は日本代表?-

ほだされて、付き合うことを受け入れるなんてだめ。

瑛人さんのペースに巻き込まれそうになるのを、私の頭のわずかに残っていた冷静な部分がストップをかける。

「瑛人さん、私……」


「瑛人」
「へっ??」

付き合うことをお断りしようと思ったのに、瑛人さんが私の言葉を遮ったせいで素っ頓狂な声が出た。

「呼び方。俺たち同い年だ。それに付き合うんだから、これからは呼び捨てで構わない」

私、付き合うこと了承したわけじゃないのに……

「ほら、呼んでみて」

なんなのよ、この俺様な態度。

「……瑛人」

俯きながら呟くように口にした名前は瑛人さんの耳にしっかりと届いていたらしい。

私の頭に手をのせて、ポンポンと頭を撫でる。

思わず見上げた瑛人さんは、納得したように目を細めてる。

もう、なんなのよ。
意地悪言ったり、急に優しい顔したり。

私の頬に一気に熱が帯びるのが分かる。ううん、顔だけじゃない、耳まで熱い。


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