Open the door -運命の彼は日本代表?-
「俺は欲しいものは、何がなんでも手に入れたい」
突然のキスに呆然としている私を、瑛人は社用車に優しくエスコートして乗せながら、自信満々な表情を私に向けた。
まぁ、もちろん、瑛人が私を乗せてくれたのは運転席なんだけど。
「俺が今、欲しいものは、みなみの気持ちだ」
心臓がさっきからうるさい位に音をたてている。
「なぁ、俺の本気で、みなみのこと手に入れるから」
漆黒の瞳を輝かせ、獣を射止めるかのような勝ち気な表情に私はもう動くことも、返事をすることも出来ずにいる。
そんな私をよそに、瑛人は運転席のドアを閉めて私を乗せ込む。
そして、さっきまで私が一緒に入っていた傘をさして、足早に相澤家の方へと歩いて行ってしまった。
瑛人の姿が見えなくなっても、私はしばらくその状態のまま、動けなかった。