Open the door -運命の彼は日本代表?-
私と瑛人の距離がジリジリと近づいていく。
瑛人の瞳が、揺らいでる。
車のドアに瑛人が右手をついたから、私は完全に瑛人と車に挟まれてしまった状況。
これって、壁ドン、ならぬ車ドン。とでもいうのだろうか。
逃げられないっ!!
力いっぱい目を瞑った時だった。
ほんの一瞬、ほんの一瞬だけ。
私の唇に、柔らかくって暖かいものが触れた。
驚いて、目を見開いたら、至近距離に瑛人の唇があった。
私に触れた柔らかなものが瑛人の唇だってことはすぐに分かった。
私、キ、キスしちゃった?!
はぁぁぁ、もう目の前がグルグルしてきた。
そんな私の様子を見て、フッと表情を緩めた瑛人がもう一度、唇にキスを落とした。
軽いキス。
瑛人のシトラスシプレ―の匂いが、鼻腔をくすぐる。