胎動
記憶を辿りながらひたすら歩き続ける。


時々大きな岩に腰をかけて休憩するだけど、気持ちが焦っているため長く休憩することもできなかった。


歩くたびにお腹が重たくなっているような気がする。


お腹の中で何かが急速に成長していくのを感じる。


それが恐怖となり、あたしの歩調を速めて行った。


そしてようやく目の前が開けた。


あの祠があった広間だ!


そう思い、笑顔になる。


しかし次の瞬間、その笑顔は見る見る消えて行っていた。


「なんで!?」


ここは確かに祠のあった広間だった。


木々の間にポッカリと開いた空間。
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