殺戮合宿〜モンスター〜
「化け物はずっといた。だけど見えなかった。それが突然見えるようになった……?」


あたしは順序立ててそう呟いた。


「どうして突然見えるようになったんだ?」


俊和が聞く。


あたしは左右に首をふった。


「あの時、小屋に電気を付けた。それで見えるようになったんだ」


亮輔の言わんとすることが理解できて、あたしは息を飲んだ。


孝利と顔を見合わせる。


「この映画に出てくる化け物と同じだ」


亮輔はそう言って再生ボタンを押した。


キャラクターたちは懐中電灯で化け物の居場所を特定して、逃げたり、攻撃したりを繰り返している。


「ちょっと待ってよ……同じってことは、アレに捕まると血を吸われるってこと!?」


祐里が悲鳴に似た声で言った。
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