殺戮合宿〜モンスター〜
「わからない。だけど可能性はあるだろ」


亮輔が答える。


先輩が作った映画の化け物は実在するってこと……?


にわかには信じられなかったが、実際にあたしたちはあの化け物をこの目で見たのだ。


それは変えようのない事実だった。


「それなら、この映画を撮った先輩に連絡してみればいいじゃん!」


そう言ったのは麻由子だった。


青ざめた顔をしているけれど、確かにその通りだった。


作成した先輩なら、化け物が実在するのかどうかわかるはずだ。


さっそくあたしは無題のDVDを手に取った。


題名は書かれていないが、ディスクに作成した日付が記入されている。


「日付だけ書いてるなんて変だね」


あたしの横から祐里が覗き込んで来て、そう言った。


「そうだね。だけど今はこれが手掛かりになるんだから」


あたしはそう答えて日付を確認した。

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