ファイヤークイズ
拘束を解いたとしても、出口まで距離がある。


この中を走り抜けることができたとしても、大やけどを負うだろう。


「じゃあどうしろっつーんだよ!」


光男が声を荒げて叫ぶ。


「いやぁ! 死にたくない! 死にたくない!」


理恵はボロボロと涙をこぼしながらパニックになり、イヤイヤと駄々っ子のように首を振った。


死にたくないのはあたしも同じだ。


でも、なにがどうなってるのかわけがわからない。


そう伝えようとした時、「俺たちだってわからないんだよ!」と、幸平が叫び返した。


目が覚めたらここにいて拘束されていた。


理恵と光男が目を覚ましたのは、その直後だったことをどうにか説明した。
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