私の中にキミがいる限り
ぼんやりと歩いていると、学校が見えて来た。


すぐに帰ると両親を心配させてしまうから、あたしはまた遠回りをしているのだ。


「ミッキー……?」


学校に近づいた時に補導にしゃがみ込んでいる後ろ姿を見つけてそう呟いた。


とても小さな声だったのに、ミッキーは気が付いて振り向いた。


「美紗っち!」


ミッキーは満面の笑顔を浮かべてあたしを手招きする。


なんだろうと思いながら近づいて行くと、そこには子猫がいた。


ミッキーの足元で小さく丸まって眠っている。


こんな所で寝るなんて、無防備な猫だな。
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