私の中にキミがいる限り
野生の猫とは思えなくて、呆れてしまう。


「この学校の中で生まれた子みたいなんだ」


ミッキーが子猫を撫でながらそう言った。


「そうなんだ?」


「うん。さっきまで3匹の子猫がいたんだよ。きっと兄弟だったんだよ」


ミッキーと同じようにしゃがんで子猫の体を撫でる。


小さな体はモコモコとした毛に包まれていて心地いい。


「触っても逃げないんだね」


「そうなんだ。だから学校内で生まれて、生徒たちに触れられて人間に馴れてるんじゃないかなって思ったんだ」


「へぇ」


あたしは感心してミッキーを見た。


いつもフワフワとした笑顔を見せるミッキーがちゃんと物事を見極めているなんて思わなかった。


そんな事、口が裂けても本人には言えないけれど。
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