模擬彼氏
まさか誰よりもお嬢様中のお嬢様・佳南さんが、恋愛に夢中になるだなんて。

少なくても私は、予想していなかった。

ランチの残りの時間は、全て佳南さんの恋愛話で埋め尽くされ、私は知らない世界に、勝手に引き込まれた感じがした。


それは講義が終わって、お迎えの車の中でも、尾を引く事になった。

「お嬢様、お迎えにあがりました。」

「ご苦労様、寺原。」

家で働いている寺原が、車のドアを開けてくれる。

「閉めますよ。」

「ええ。」

寺原は後部座席のドアを閉め、運転席に戻ると、慣れた手つきでシートベルトを締めた。


寺原は、私の8歳年上。

高校生の時に、アルバイトで家の執事の手伝いをしていた。
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