模擬彼氏
そして大学に在籍中も、執事としてうちで働いてくれて、卒業後もそのまま家にいてくれる人。

小学生ぐらいから知っているから、お兄さん的な面も持っている。


「どうなさったんですか?さっきから、ため息ばかりついていらっしゃいますよ。」

運転席のミラーで、私をチラッと見る寺原。

「分かった?」

「分かりますよ。そんな大きなため息をつけば。」

そして私は、また大きなため息をついた。


「ねえ。寺原は恋愛した事、ある?」

「これでも一応ありますよ。」

寺原は外を見ながら、交差点を曲がった。

「相手の方は、どんな方?」

「どんな……普通の人ですよ。」

信号で赤になって、車を停めた寺原は、ふと私の方を振り返った。
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