模擬彼氏
「あのね、紗雪……」

振り返った寺原は、私を見て呆れ顔。

「ふふふ……」

私は嬉しくなって、寺原の腕に抱き着いた。

「なに、嬉しそうな顔してるの?」

「だって圭一さん。私の事、”俺の女”って。」

ちょっと照れる寺原も、可愛く見える。


「もういいから、行こう。」

「はーい!」

私達は、腕を組んだまま、寺原の車へ。

私が後部座席に乗ろうとすると、寺原は『えーっ!』と、驚いた。

「普通、助手席でしょ。」

「えっ?そうなの?」

デートの”いろは”も分からない私は、恥ずかしくなりながら、一旦車を降り、助手席へ乗り直した。


「準備、OK?」

寺原の顔が、いつもより近くに感じる。

「うん。」
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