模擬彼氏
「その手、放して貰えます?」

お願いしているのに、寺原はおじ様の腕を掴むと、そのまま背中へ回した。

「痛ててて!」

「ちょっと!圭一さん!おじ様に、そんな事をしてはダメ!」

私が寺原の腕を掴むと、おじ様はスルッと寺原から逃げてしまった。


「おい!執事のくせに、度が過ぎるぞ!」

「はあ?俺は、こいつの彼氏だよ!」

おじ様の顔が歪む。

「俺の女に、手を出そうとするな。このスケベオヤジ!」

「ちょっと、お嬢ちゃん?」

おじ様が私を見ると、これまた渋い顔をしている。


だって、”俺の女”って、なんだか……

映画の世界に、紛れ込んだみたい!


「何だよ、男だったのかよ!」

おじ様は舌打ちしながら、コンビニの外に走って行ってしまった。
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