模擬彼氏
そして寺原は、またハハハッと笑った。


「……圭一さんは、私の事、何でも知ってるのね。」

「そりゃあ、子供の時から一緒にいるからなぁ。しかも、お付きの執事ともなると、知りたくもない事まで知るし。」

「な、何よ!知りたくない事って!」

「例えば、学校の成績とか?」

私は恥ずかしくなって、暴れる。


「私、学校の成績は、悪くないわ!」

「俺が、家庭教師紛いみたいに、逐一教えてたからね。」

そう。

何を隠そう、学校の勉強は分からないことばかりで、他人に知られるのが嫌な私は、近くにいた寺原に頼ってばかりいた。


「もう!圭一さんのバカ!」

「俺のせいにするなよ。」

そんな会話をしているうちに、車は街の映画館へと着いた。
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