模擬彼氏
「もしかしたら、お嬢様。好きな方が、できたのですか?」

私はベッドの上に、足を抱えて座った。

「……分からないの。でも、一緒にいると、ずっとドキドキして……」

「まあ。それは、恋ですよ。お嬢様。」

私は、祈子を見た。


笑顔で答えてくれる祈子が、本当の姉のように見えてくる。

「他の方と結婚するって分かっていたとしても、何も悩む事はないですよ。まだお若いんですもの。恋の一つや二つ。自由になさればいいんです!」

祈子は、拳を握りしめた。

「それで、お相手の方は、大学の同級生ですか?」

ワクワクしながら聞いてくる祈子に、ちょっと戸惑う。

「えーっと……」

「ご安心下さい!私、誰にもしゃべりませんので!」
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