模擬彼氏
どのくらい経っただろうか。

祈子が、私の部屋に戻って来た。

「あらあら。本当に具合が、悪くなられてしまったのですか?」

「うん……」

私はゆっくりと、体を起こした。


「何でしょう。何かお悩みがあるのでは?」

祈子は、私の隣に座った。

その時の祈子は、まるで私の姉のよう。

歳も6歳くらい離れているから、ちょうどいい。

「もし私でよければ、ご相談に乗りますよ?」

「祈子……」

そのあまりの優しさに、私は泣けてきた。

「お嬢様?」

慌てた祈子が、私の肩を包む。

「あのね。私が悩んでいるのは、恋愛の事なの。」

「恋愛……ですか?」


祈子は、いづれ私が両親の決めた方と、お見合いして結婚する事を知っている。
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