模擬彼氏
祈子は、寺原に押し迫った。

「あなた、旦那様に知られたら、この屋敷から追放されるのよ?」

それを聞いた私は、足がすくむ。


私のせいで、寺原がこの屋敷から、去ってしまう?

「分かってるよ。」

寺原は、至って冷静だ。

「どうしてそんなに、落ち着いていられるの?」

祈子は、寺原を後ろから抱きしめた。

「私がこんなに言うのは、あなたを今でも好きだからなのよ!」

目の前が、真っ黒になった。

「知ってるでしょう?別れても、あなたの事、忘れられなかったって。」


祈子が、寺原の前の彼女?

そんな事って、有り得るの?


「心配しなくてもいい。もうお嬢様には、近づかないから。」
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