模擬彼氏
▼▼▼


「はははっ!思いのほか、いい相手が、見つかってね。」

お父様は、夕食の時にワインを飲みながら、上機嫌だ。

「珍しいわ。お父様が、お相手を気に入るなんて。今までもいくつかお話があったのよ?でも、自分が気に入らないからって、全部断ってしまって。結婚するのは、お父様じゃないのにね。」

お母様も、どことなく安心しているみたい。


「明日、相手と一席設けよう。紗雪もきっと、気に入るよ。」

「はい。」

やっと、私にもそんな話が来たのかと、浮かれると思っていたのに、私の心は、それに反して、沈みっぱなしだ。

「なんだか、元気がないわね。」

お母様が、私の顔色を見て、心配する。

「なに。どんな人だろうと想像して、緊張しているだけだ。」

お父様は、頭まで目出度くなっている。
< 56 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop