模擬彼氏
私達はランチの時間も、真千佳さんのお話で、盛り上がっていた。

「真千佳さん。どんなお気持ちで、家を出たのかしら。怖くなかったのかしら。」

佳南さんは、アールグレイを飲みながら、考え込んでいる。

「でも……一緒にお逃げになったのは、真千佳さんが好きな方なんでしょう?怖かったでしょうけど、信じているんでしょうね。」

「信じていた?何を?」

そこでニコッと笑った佳南さん。

「好きな方と一緒だったら、どんな事があっても、幸せになれるって。」

その笑顔の向こう側に、涼しい風が吹いた。


「佳南さんは、その……そういう事、信じていらっしゃるの?」

「ええ。もちろん。」

この天使のような笑顔には、私も敵わない。
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