模擬彼氏
翌日。

私は両親と一緒に、お見合い相手と会った。


「紗雪、佐久本英徳君だ。」

「初めまして、水戸部紗雪と申します。」

両親に挟まれて、私は粗相のないようにだけ努めた。

「佐久本君はね、お父様の会社で、この若いのに、部長さんをやっておられるんだ。大変優秀な方なんだよ。」

「若いと言っても、もう30代ですから。それに、親の七光りのお陰で、出世できているようなものです。」

佐久本さんは、父を前にして、とても落ち着いている。


「どうだい?うちの娘は。」

「とてもお美しい方で、驚きました。」

佐久本さんは、私に微笑みかける。

「正直、一回りも下の女子大生とお見合いなんて、気がすすまなかったのですが……今日、お伺いしてよかったです。」
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