Beast Love
やがて夕日を背にのらりくらりとコートに現れたのは、ハーフパンツにスポーツ用のレギンスを履き、丸渕メガネをかけたマサトだった。

「よーっす。待たせたな」

いつもはワックスをつけているのだろうか、柔らかにサラサラと風に揺られるツーブロックの髪型に、ドキッと心臓が跳ねる。


「わーっ! マサトくん、凄くインテリっぽいね! 同じ男とは思えないくらい、カッコいい! 雰囲気、いつもと違〜うっ」

「ぶはっ! 小羊は同じ男とは思えないくらい女子力高ぇーな、おい」


ゲラゲラと笑う彼の後ろには、色気満載のスエットに身を包んだ白虎町くんの姿もあった。


「やあやあ。マサトから話し聞いて面白そうやから、ついてきてしもたわぁ〜」


お互いの格好を指差して笑い合う男子共に頭を抱え、咳払いをする。


「ちょっと、本当にこれで玄武くんについて何か分かるの?」

「あー、はいはい。黙って俺についてくりゃぁ分かるっつーの。じゃ、行くぜー」

「ちょっと、待ってよ」


気怠そうにコートを借りに行くマサトの背中を、小走りで追いかけた。





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