Beast Love
「じゃぁ、絶対に誓えよ。本当に好きな奴としかエロいことしねぇって」


ポカンと口を開け、思ったことをそのまま尋ねる。


「……はい? なんであなたに約束しなきゃいけないの?」


「なんでも良いだろ。ってか、俺のこと好きになんなよ。メンドくせーから」


え、ええーっ。

いきなり何言ってんだこの人は。


(……でも、否定しきれない)


その発言には、やけに説得力があったから。


一目見ただけで感じた。


この男子生徒には、男女とかそういうものを越えた先にある、一歩踏み入れればもう戻れない……人としての危険な魅力が、溢れていることに。



「おい、返事はどうした?」

指に力を入れ、クイッと顔を上げられる。


「は、はい……」


渋々頷くと、いかつい表情から一変して、白い歯を見せてニカッと笑った。



「よし、今日からお前は俺らのクラスメイトであり、俺様の従順な下僕だ」


「げ、下僕……」

満面の笑みで残酷な宣告をしだす、鳳凰 正人。


「っつーか、名前覚えんのダルいからポチで良いだろ? よろしくな、ポチ」


「は、はぁぁぁぁ?!」


どうやら新しいクラスでは、私は人間扱いすらされないようである。


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