Beast Love
「うっそ?! 見つけたの?!」

「おう。お前に押し倒された時に、な」


ぐぬぬっ、と歯を食いしばりながら、恨めしそうに景品を見つめるもマサトは飄々としていた。


いろいろとアクシデントのあったアトラクション、トイボックスを出ると時刻は昼下がりになっていた。


「やるよ、コレ」



それだけ言うと、マサトは手にした景品を私の胸に目掛けて、ポンっと無造作に放る。



「わわっ! なんで? くれるの?」



目を丸くして前を行く大きな背中を見つめると、不良はポケットに手を突っ込みながら口を開く。



「アトラクション始まる前に、景品欲しいって言ってたろ。だからやるよ。俺は、いらねぇし」



(コイツ、いや、このお方。ちゃんと私が話してたこと覚えてくれてたんだ……。意外に、優しいじゃん)



なんて、貰った景品を胸に、彼のことを見直していると。



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