その気持ち気付いてない
ちせとは幼稚園の年中の時に出会った。
転入してきたちせは明るく、活発でよく喋る子だった。

そんなちせをその時からどこか気になり始めていたのかもしれない。

ある日、いつも外に出ないで園内で本を読んでいた僕をちせは気にしたのか、
おそるおそるという感じでちせが声をかけてきた。

「お庭で遊ぼ?」

「......なんで」

まだ人とコミュニケーションをとるということをしらない俺は冷たく返した。
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop