ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
「かわいー!ねぇねぇ、これなんてどう?」
ショッピングモールのベビー用品売り場に響くのは私の声で、手にはぴんく色の靴下セットが握られていた。
「……女か男かも分からねぇのに、ベビー用品って早ぇだろ」
「あ、そっか。じゃー黄色にしよ」
「だーかーら、まだ産まれてもないのに気早すぎじゃね?」
「……」
「結婚祝いが先だろ!」
「なんかダイ、親父くさい!!」
「オ、ヤジって、お前の順番が逆なんだろ!!」
「可愛いものを可愛いって言って何が悪いのよ!!」
「お前、いくつだよ?」
「はぁぁぁあ?それ禁句ですけど!禁句!!」
「いやいや、知ってるから……」
「じゃー、聞かないでよ!」
「さっきから、声でけーよ……」
ダイの呆れた様な声に"はっ"とすれば、周りから視線を向けられている事に気付いて、
「で、出ようか」
慌ててその場を離れる事になってしまう。