ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~



「音、立てんなよ」

「う、うん」


公園からダイの家までは、思ったより遠くなかった。

実際には少し遠かったのかもしれないけど、並んで歩いて話しながらキスをして、あっという間に着いてしまったのだ。


ユミのお母さん逹はもう寝ているのか、家の中は静まりかえっている。



「お邪魔しまーす……」


靴を片手に小さな声で挨拶をして、音を立てない様に足を踏み入れた。

2階にあるユミの部屋の隣がダイの部屋になっていて、中に入れば端に段ボールがいくつか寄せられているのが見える。



「普段いないから物置きにされてんだ」


なんて、ダイが苦笑いをして私に視線を向けるから、


「ユ、ユミ。大丈夫かな?」

「大丈夫なんじゃね」


慣れた家の筈なのに妙に緊張してきた。


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