弟はドラゴンで
それから、お風呂に入ったあとも、夜ごはんの時も、そのあとも……ずっと、人間の姿のままで過ごしていた龍。
不自然で、なんというか龍らしくなかった。
夜中の1時頃。
私は、こっそりと龍の様子を見に行くことにした。
自分の部屋でも、人間の姿なのかな?
ずっと翼もツノも出さずに過ごしているなんて、今までなかったんだもん。
様子がおかしいことは確か。
龍はもう、この時間は寝てるはず……。
そーっと龍の部屋のドアを少しだけ開け、隙間から片目だけを覗かせて中の様子を伺った。
……なんか、やっぱ悪いことしてるみたい……。
いや、人の部屋覗き見するなんてあきらかに悪いことか……。
ごめんよ、龍……。
心の中で謝るものの、覗き見は続ける私。
電気は消えていて、ベッドで寝ている龍の姿が見えた。
よく目を凝らして見てみると、龍の背中からは翼が出ていた。
……!
やっぱ、自分の部屋では翼出してるんだ。
でも、なんで自分の部屋でだけ?
気になった私は、少しだけ開けていたドアをもう少し開く。
自分が入れるくらいになってから、音を立てないようにして龍の部屋に忍び込んだ。
そぉっと龍のベッドに近づく。
スースーと寝息を立てながら寝ている龍。
よく寝ているのを確認できてから、私は暗い中まじまじと龍の翼を見た。
暗くてハッキリはわからなかったけど……私が見たものは、信じがたいものだった。