恋は、秘密主義につき。
3-5
駅から電車に乗り、この辺りでは一番の都心へ。
お洒落な雑貨店やスイーツのお店が集まった、人気の街に降り立った。

行き交う人波を眺めれば、カップルや女性同士が目に付く。欧風スタイルの店構えが多いことも、異国チックで魅了される理由の一つかも知れません。


「ぼくとお揃いにしなよ!」

立ち寄った雑貨屋さんで、手帳型スマホケースを前にふーちゃんは真剣に悩み。
綺麗ななめし革の、シンプルなデザインのを。自分用にターコイズブルー、私には明るめのオレンジ色を選んでプレゼントしてくれた。

「これで毎日ぼくを思い出すって、嬉しいでしょ?」

レジの店員さんも、恋人同士だと勘違いしているのか微笑ましそうにニコニコと。

何だか毎晩、ふーちゃんが夢に出てきそうな気がします・・・・・・。




「ついでだから鳴宮の件で、お祖父ちゃん刺しに行こうと思ったんだけどさ。やっぱゴールデンウイークは、金と愛想をバラ撒きにあちこち行ってるから、いないんだよねー」

歩きながら世間話のように。事も無げに言われて思わずぎょっとすると。

「一回くらい刺したって死なないよ? あんな妖怪ジジイ」

アハハと声を上げ、ふーちゃんは楽しそうに笑っていました。
・・・・・・・・・。



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