大好き、だからずっと一緒にいたい·····
『そっか、残念だな。今日仲間うちで食事会だから、誘ってみたんだ』

あ…

仲間うち…

そうだよね、私みたいな地味な女、1対1で誘ってくれる訳ないよね。

焦った。

それに、恥ずかしい…

『す、すみません、仕事なんです。でも、また誘って頂けたら…う、嬉しいです』

精一杯頑張って言ったけど、もう誘われないかも。

私は、ヘアメイクの仕事をしてるけど、まだまだ未熟。

でも、専門学校時代にいくつか賞を頂けて、それが認められたおかげで、すぐに芸能人の担当見習いに推薦してもらえた。

有り難いことに、今は佐竹さんの指名を頂き、担当に付かせてもらってる。

そんな境遇を回りはすごくうらやましがっているようで…

当たり前だよね、こんなキラキラした人の担当だなんて、自分でもびっくりだし、申し訳ない気持ちさえするんだから。

『了解、また誘うね、仕事頑張って』

手が震えて、上手く髪を直せなかった。

そんな優しくて甘い言葉かけてもらったら、もう、その場で気絶しそうだった。
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