大好き、だからずっと一緒にいたい·····
『うん、プロポーズされた彼女がね、嬉しくて泣いちゃうんだけど、そこに佐竹さんが優しく抱きしめて…キスするんだ』

『綾音は、佐竹さんが好きなんだ』

びっくりした。

佐竹さんのこと、何も言ってないのに…

『なんで?』

『綾音のその顔、まだ俺のためには見せてない顔だ。佐竹さんのこと、思い浮かべて自然に出てる顔。いい顔してる』

悠介君は、またコーヒーに口をつけた。

『…高校の時からの憧れの人なんだ…』

私もコーヒーを飲んだ。

『…そうなんだ、ずっと憧れてた人のヘアメイク出来るなんて、幸せだな。そっか…憧れの人か』

横顔が、少し寂しそうに見えた。

嘘つきたくなかったから、言ってしまったけど…

『綾音と俺って…昨日付き合い始めたばっかりで、綾音の心は100%俺の物じゃない。まだまだ全然足りてないんだろう。それはもちろん分かってる…だけどさ、必ず綾音の心、全部俺の物にするから』

『…悠介君、ありがとう』

『だから、これからいっぱい会いたいんだ。いっぱい話して、いっぱい遊んで、俺、綾音を楽しませたい』

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