大好き、だからずっと一緒にいたい·····
直しが終わり、撮影が再開される。

高身長の佐竹さんが、颯爽と歩くその後ろ姿に、私はまだドキドキが止まらない。

佐竹さんと、私の出会いは1年前のメイク室。

新人俳優さんをメイクしていた時、たまたまそこに来た佐竹さんが、私の腕をほめてくれたのが始まり。

あれよあれよという間に、なぜか私を指名してくれたの。

最初は信じられなかったけど、でも、やっぱりすごく嬉しかった。

だって、佐竹良斗は、私が高校生の頃からの憧れの俳優さんだったから。

背がスラッと高くて、顔立ちも綺麗で、少しクールな印象。

そう、ちょっと近寄り難い雰囲気。

でも、話してみたら、全然そんなことなくて、優しくて気さくな人だった。

知的な部分もあって、いろいろ勉強になる話もしてくれた。

私はどんどん佐竹さんへの想いを膨らませながらも、『大好き』って言う自分の気持ちを押し殺して、いつもヘアメイクに専念してる。

佐竹さんが、スクリーンの中で1番素敵に見えるように…
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