そのままの君が好き〜その恋の行方〜
ズーラシアを出た俺達。三嶋はこれからどこかでディナー、とでも思ってくれてたかもしれない。しかし、申し訳ないけど、俺には、そのつもりはなかった。


「三嶋。」


「うん?」


笑顔で振り向く三嶋。その表情に一瞬、心が痛んだ俺だけど、心を奮い立たせる。


「話がある。」


「はい。」


その俺の表情を見た三嶋は、表情を固くする。


「すまん。俺はお前の気持ちを受け取ることは出来ない。」


「総一郎・・・。」


俺がそう言うと、三嶋はハッと俯いた。


「お前にコクられたあと、俺はずっとお前のことを考えていた。お前のことは可愛いと思う、いなくなって寂しいとも思う。だけどそれは妹として、後輩としてのお前への気持ちなんだ。」


「・・・。」


「申し訳ないけど、俺の中で、お前の存在と桜井さんの存在は全く違う。皮肉なことに、お前にコクられて、やっと気付いた。自分の中で、桜井さんがどんなに大きい存在になっているかに。」


「・・・。」


「ゴメン。俺、お前に残酷なこと、言ってるよな。やっぱり昨日電話で話すべきだったのかもしれない。でも直接会って、ちゃんと話すのが礼儀だと思ったから・・・許してくれ。」


なにを言っても、一言も答えてくれない三嶋。


「三嶋、振った上に説教するようで、申し訳ないが、今週の三嶋は俺は嫌いだ。俺の知ってる三嶋は、おしゃべりだけど、仕事にまっすぐにひたむきに取り組むヤツだ。あんなケジメも何もないお前なんか見たくない。」


「だって、総一郎に振り向いて欲しかったんだもん!桜井さんと連絡取らせたくなかったんだもん!」


ここでようやく顔を上げた三嶋。その瞳からは涙が溢れている。 


「三嶋・・・。」


「そうだよね。総一郎・・・沖田さんの言う通りだよ。今週の私、どうかしてた。最低だった。ごめんなさい。」


そう言って俺に頭を下げる三嶋。


「でも沖田さんと離れ離れになって、本当に寂しかった。どうしようもないくらい・・・。社会人として、許されないことをしてるのは、わかってました。でもどうしようもなかった・・・。」


まっすぐに俺を見る三嶋。


「だけど、目が覚めました。沖田さんからはっきり振られて、諦めも付きました。これからは当たり前だけど、仕事にキチンと向き合います。沖田さんと桜井さんのこと、もう絶対に邪魔しません。前のように2人のこと、応援します。だから・・・。」


ここで一瞬、間を置いた三嶋は


「もう2度と連絡してくるな、もう2度と会わない。それだけは言わないで下さい。お願いします。」


「三嶋・・・。」


そう言って、頭を下げる三嶋に、俺は言葉を失う
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