そのままの君が好き〜その恋の行方〜
年が明けると、少し仕事も落ち着いた。前年度は、年末がやや静かで、年明けから多忙になったが、今年度は逆のようだ。


去年のお正月は、高校時代の仲間6人が久しぶりに集合して、浅草に初詣に行った。楽しかったなぁ、あれからもう1年経ってしまったんだ・・・。


ここ何年も、今年は恋を頑張ると決意を初詣で誓っていた私だったが、去年は、仕事ファーストを掲げた。仕事は我ながら、頑張れたと思うが、控え目にと思っていた恋愛の方が、今までの人生にないくらいの展開を見せてしまった。


和樹さんとのことを後悔するつもりはない。和樹さんの境遇を知りながら、私は和樹さんの求愛を受け入れた。そして、和樹さんが私を選んでくれようとしたのに、私は結局、あの人との別れを選択した。


悲しくなかったわけがない、辛くなかったはずもない。だけど、それは全て私自身の意志。誰に強制されたのでもないのだ。


だけど・・・彼は違う。彼は私に裏切られ、誤解され、その上、私の為に仕事を失ったと言える。


私の選択に振り回され、人生を狂わされようとしている。彼がなぜ、和樹さんのもとに向かったのか、その真意は私には、わからない。
 

彼が勝手にやったこと、はっきり言って迷惑だ。そう言おうとすれば、言えるのかもしれない。


現に私は、そういう態度を取り続けている・・・と人に取られても仕方がない。


彼のことが気になってないわけじゃない。ううん、あれから彼のことを何度も何度も考えてる。


だけど今、彼に、沖田くんに私は何を言えるのだろう。何を言うべきなのだろう。そして、私は彼に何が出来るのだろう。


その堂々巡りから抜け出せない。時だけが過ぎて行く。


でも、このまま彼から逃げ続けるわけにはいかない。それは絶対に許されることではない。


時すでに遅し、かもしれない。だけど、私はようやく心を決めた。
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