そのままの君が好き〜その恋の行方〜
エピローグ
私達がホテルに戻って来たのは、あれから少し経ってからだった。
いつまででも、寄り添って見ていたかったくらい美しい夜景だったけど、そろそろ2人きりになりたかった。
手を繋ぎ、部屋に入った私達は、向き合い、少し見つめ合っていたけど、やがてどちらからともなく、唇を重ね合った。
最初はやや遠慮がちに、でもその口づけは徐々に深く、激しくなって行く。
(総一郎・・・。)
私は侵入して来た彼の舌を受け入れ、その柔らかな感触を堪能する。
やがて、リップ音が響き、唇が離れる。一瞬見つめ合って、でもまた総一郎の唇が、私の唇を塞ぐ。
普段は優しい総一郎だけど、今の彼は情熱的に、私の口を愛してくれる。もう私は完全に受け身だ。
再び唇が離れる、見つめ合う2人。でも総一郎の目に、情念の炎が燃えているのを感じた時、私は我に返った。
「シャワー、浴びてくる。」
そう言うと、私は彼の横をすり抜ける。それを見送る彼は、やや拍子抜けした表情になったが、実は私も内心、自分の行動ながら、同じような心理状況になっている。
いつにもまして、シャワーを念入りに浴びたのは、愛しい人に身を晒す前の女ごころ。バスローブを身にまとい、入れ替わるようにシャワールームに向かった彼を見送った私は、ベッドに身体を滑り込ませて、彼の帰りを待つ。
やがて、上半身裸のまま、私の前に戻って来た総一郎、スポーツマンらしい、引き締まった胸に、一瞬目を奪われた私は、でも恥ずかしくなって、俯く。
「加奈、おいで。」
そんな私に、彼の優しい言葉が降って来る。私は俯いたまま、ベッドを出る。
そして、改めて見つめ合う2人。
「加奈。」
私を真っ直ぐに見て、そう呼んだ総一郎の声に、吸い込まれるように、私は彼の腕の中に納まる。
初めて、直接触れる頬と胸。速金のような総一郎の鼓動に比例するように、私の心拍数も上がって行く。
「なかなか会えなくて、本当は寂しかった。でも、今回の旅行、誘ってくれて嬉しかった。総一郎は、私のこと、本気で思ってくれてるんだってことが伝わって来たから。」
「そっか。なら、よかった。僕も加奈が一緒に行きたいって言ってくれたのは、嬉しかったよ。いい機会を与えてくれた、後輩達に感謝だな。」
「うん。」
頷いた私は、総一郎を見上げる。その視線に気付いて、総一郎も、私を見る。
「夢みたいだ、加奈とこうしていられるなんて。」
「私も・・・。」
私が言葉少なに頷くと、総一郎の唇がスッと近づいて来る。瞳を閉じ、待ち受ける私。
先程に負けないくらいの、熱く、激しい口づけを交わし合う私達。
やがて、2人は折り重なって、ベッドに倒れ込む。
「好きだよ、加奈。もう絶対に離さない、どこにも行かせない。」
これ以上ない、至近距離にある総一郎の顔。そんな彼の口から漏れる甘い囁きは、否が応でも、私の心を燃え上がらせてくれる。
「愛してる、総一郎。」
そう言って、彼の首筋に手を回し、じっと見つめる私に
「僕も愛してる。」
そう言うやいなや、彼の唇が私の唇に落ちて来て、彼の手が、私の胸元に伸びてくる。
私と総一郎の、初めての甘くて、激しい夜は、まだ始まったばかり・・・。
END
いつまででも、寄り添って見ていたかったくらい美しい夜景だったけど、そろそろ2人きりになりたかった。
手を繋ぎ、部屋に入った私達は、向き合い、少し見つめ合っていたけど、やがてどちらからともなく、唇を重ね合った。
最初はやや遠慮がちに、でもその口づけは徐々に深く、激しくなって行く。
(総一郎・・・。)
私は侵入して来た彼の舌を受け入れ、その柔らかな感触を堪能する。
やがて、リップ音が響き、唇が離れる。一瞬見つめ合って、でもまた総一郎の唇が、私の唇を塞ぐ。
普段は優しい総一郎だけど、今の彼は情熱的に、私の口を愛してくれる。もう私は完全に受け身だ。
再び唇が離れる、見つめ合う2人。でも総一郎の目に、情念の炎が燃えているのを感じた時、私は我に返った。
「シャワー、浴びてくる。」
そう言うと、私は彼の横をすり抜ける。それを見送る彼は、やや拍子抜けした表情になったが、実は私も内心、自分の行動ながら、同じような心理状況になっている。
いつにもまして、シャワーを念入りに浴びたのは、愛しい人に身を晒す前の女ごころ。バスローブを身にまとい、入れ替わるようにシャワールームに向かった彼を見送った私は、ベッドに身体を滑り込ませて、彼の帰りを待つ。
やがて、上半身裸のまま、私の前に戻って来た総一郎、スポーツマンらしい、引き締まった胸に、一瞬目を奪われた私は、でも恥ずかしくなって、俯く。
「加奈、おいで。」
そんな私に、彼の優しい言葉が降って来る。私は俯いたまま、ベッドを出る。
そして、改めて見つめ合う2人。
「加奈。」
私を真っ直ぐに見て、そう呼んだ総一郎の声に、吸い込まれるように、私は彼の腕の中に納まる。
初めて、直接触れる頬と胸。速金のような総一郎の鼓動に比例するように、私の心拍数も上がって行く。
「なかなか会えなくて、本当は寂しかった。でも、今回の旅行、誘ってくれて嬉しかった。総一郎は、私のこと、本気で思ってくれてるんだってことが伝わって来たから。」
「そっか。なら、よかった。僕も加奈が一緒に行きたいって言ってくれたのは、嬉しかったよ。いい機会を与えてくれた、後輩達に感謝だな。」
「うん。」
頷いた私は、総一郎を見上げる。その視線に気付いて、総一郎も、私を見る。
「夢みたいだ、加奈とこうしていられるなんて。」
「私も・・・。」
私が言葉少なに頷くと、総一郎の唇がスッと近づいて来る。瞳を閉じ、待ち受ける私。
先程に負けないくらいの、熱く、激しい口づけを交わし合う私達。
やがて、2人は折り重なって、ベッドに倒れ込む。
「好きだよ、加奈。もう絶対に離さない、どこにも行かせない。」
これ以上ない、至近距離にある総一郎の顔。そんな彼の口から漏れる甘い囁きは、否が応でも、私の心を燃え上がらせてくれる。
「愛してる、総一郎。」
そう言って、彼の首筋に手を回し、じっと見つめる私に
「僕も愛してる。」
そう言うやいなや、彼の唇が私の唇に落ちて来て、彼の手が、私の胸元に伸びてくる。
私と総一郎の、初めての甘くて、激しい夜は、まだ始まったばかり・・・。
END