そのままの君が好き〜その恋の行方〜
目指すは鴨川、鴨川といえば鴨川シーワールドだ。 


「ガキっぽくて嫌かな?」


「ううん、水族館大好き。」


目的地を決める時、こんな会話を交わした。


「入る前に、お昼食べようよ。美味しい回転寿司屋があるんだ。千葉と言ったら、やっぱり寿司だよ。」


という沖田くんの提案で、少々早い昼食を。案内してもらったお寿司屋さんは、確かに値段はリーズナブルで、ネタは新鮮。つい、食べ過ぎてしまったら、会計は沖田くんが支払ってくれた。


「ゴメンね、沖田くん。ごちそうさまでした。」


「結構イケたでしょ。」


「うん、とっても美味しかった。でも、チケット代は私に出させてね。」


「えっ?」


「それとガソリン代と高速代も、ちゃんと後で請求してね。」


「そんな、いいよ。」


「ううん、ダメ。ずっと運転してもらってるんだから。お蔭様で快適なドライブ、楽しませてもらってます。」


そう言って、私は沖田くんに笑顔を向ける。


「桜井さんらしいな。わかりました、じゃ、遠慮なく。出発しよう。」


沖田くんも笑顔で、そう言うと、クルマをスタートさせた。


そしてシーワールド到着。入口から中に入ると、目の前にパァーと海が広がる。


「きれい・・・。」


「アトラクションもいろいろ楽しいんだけど、僕はこの景色を見ると、ここに来てよかったと思うんだ。」


思わず呟いた私の横で、そんなことを言う沖田くん。


それから私達は、いろんなアトラクションを見て回った。シャチやイルカのショーも、水槽の中で優雅に泳ぐ魚達も、幼い頃、親に連れられて来た時とは、何か違って見えたのは、気のせいなのかな・・・?


閉園ギリギリまで、シーワールドを楽しんだ私達は、帰り道、予定通り海ほたるに立ち寄った。


夕飯を済ませ、私達は夜景の広がる海に向かった。
< 86 / 177 >

この作品をシェア

pagetop