Magic ring



そしてその「選ばれた証」としてリング、つまり指輪が授けられるらしい。



ただの指輪って訳じゃなくて、魔力を秘めた指輪。
身につけている本人の魔法属性を引き出してくれる物。



そのリングが無ければ、ロイヤルキャスタルへは入城出来ない。(因みに、全部小さい頃におばあちゃんから聞いたお話なの。)





そのリングを、私は授かっていなかった。





本当なら私は此処にいてはいけないはずだ。



「夢……にしては、すごくリアルだし、体の感覚もある……それにさっきまでハンバーガーの夢を見てたような…?これも夢?……あぁ、分かんない……」



もう一度、室内に向けていた目を外に向き直す。
雲の上にあるって言うのが信じられない景色と、春が終わり夏が始まる前のような、涼しげな、でも暖かい優しい風が吹いてくる。




頭がパニックになって半笑いしながらほっぺや体のあちこちをつねる。ただ痛い。



そんなアホな事をしていた時だった。



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