ハニーレモンの太陽。
「みーおっ」

「日奈…」

「どした?元気ないけど」

「ううん、なんでもない。」

「転校生くんのこと?」

「……うん」

「どうしたの」




私を追いかけてきてくれたらしい日奈が、心配そうに顔をのぞきこんでくる。


私は少しためらってから、話した。




「電車でね…会ったんだ。なんか、こんな偶然あるんだってちょっと嬉しくなったの。

でも……蒼井くんは覚えてないからさ。」

「本人に聞いてみたら?」

「そんな勇気ないよっ!」

「じゃああきらめるしかないね」

「……」

「…勇気だしなよ!聞くだけでしょ?」




大丈夫だって!と私の背中を叩く日奈を見れば、満面の笑みで私を見てガッツポーズをした。



それでも、私にはそんな勇気ないよ…。
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