大嫌いなクール王子になぜか溺愛されてます。


地味に長かった始業式が終わり、全校生徒ゾロゾロとそれぞれの教室へと散らばっていった。


二階の端にある一組にはもうすぐたどり着く。


「わたしと結子、また隣の席かもねぇ」


まだ席の配置を知らないわたしは期待を込めてそう言うと、隣の結子は「出席番号はまた前後なんだけどぉ……」と語尾を濁した。


その理由は自分の席について、すぐにわかった。


わたしの席は、廊下に近い一番右。

そして結子の席は、わたしのひとつ後ろの列のベランダに近い一番左。

つまり、わたしと結子は机の個数が合わずちょうど列で別れてしまったのだ。


そんなあ、と思いつつ、仕方ない。

今の席で、またひっそりと過ごすだけだ。


もうすぐホームルームがはじまるため、みんな自分の席につく。


わたしみたいな地味子には、自分から話しかけなかったら、必要なこと以外は相手から話しかけてこないことはもう去年の時点で立証済みだ。


むしろそれでいいのだ。

それを望んでいるからこそ、わたしはこのように地味な格好をしているのだ。


学校を休むことがない結子さえいれば、基本的に学校生活は楽しい。


このまま平穏に、何事もなく過ごしていきたい。


『花菜ちゃんと関わらないほうがいいよ、だってあの子──』


ふと中学時代の嫌な記憶が頭によみがえり、息が詰まりそうになった。

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