【完】さつきあめ〜2nd〜

「ほんと信じられないっ!!!」

どれだけ長く眠りに落ちていたのだろう。
いきなりの怒鳴り声で、現実に引き戻される事になる。
ゆっくりと目を開けると、眩しい光が入ってきて、目が開けられない。
大きな窓から太陽の眩しい光が漏れていて、それをバックにわたしを見下ろす人物がひとり。

横からは甘い香りがして、耳元で安らかな寝息が聴こえる。
ずっとずっと、男の人の割には静かに眠る人だと思っていた。

わたしに腕枕をして、安らかに寝息を立てる朝日の腕の中で、綾乃の怒っている顔が目に入って、びっくりして飛び起きた。

綾乃の横で呆れたような涼のクールな横顔。
綾乃は顔を真っ赤にして、頬を膨らませていた。

どうかしていた。
昨日の自分に恥じらいという言葉を教えてあげたい。
涼と綾乃が同じ家で眠っているというのに、あんな事をしてしまうなんて。けれど恥じらいはちゃんと持っていたようで、ソファーに眠るわたしはきちんと洋服を着ていた。
けれど、隣で眠る朝日は上半身が裸なので、何があったかなんて一目瞭然で。

「朝起きたら一体どうなってるつーのよ!!」

「本当だよなぁ?俺と綾乃は別々に眠らされてさぁ~
このふたり、まさか俺たちが寝てる間に大胆な事するよねぇ~」

お茶らけて言った涼を、綾乃はぎろりと睨みつけた。

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