【完】さつきあめ〜2nd〜
「ばぁか!
それより店内紹介一通りするわ。
つぅかONEはお前が想像してるよりずっとすげぇぞ!」

「そりゃ…パッと見で分かりますけど…
かなりお金かけてるようですし……」

「更衣室も2つに分かれてて、かなり広いって。まぁ案内するわ。
さくらに紹介しておかなきゃいけない人もいるしさ」

「紹介しておかなきゃいけない人?」

更衣室は2階にあった。
どうやら裏口から入ってこれるようで、裏口から入って行ったらこれまた所せましと貸しドレスと靴が大量に並んでおり
全身鏡が壁一面に張り付けられていて、ロッカー数もかなりの数だった。広々とした更衣室の隣に専用の美容室があって、ONEだけの専属の美容師までいるらしい。

七色グループ専用のヘアセットはあったのだけど、やはりONEは特別なようでスケールも大きい。
そこに美容師が2人いた。

「あんたかい!さくらってのは!」

そのひとりがかなり年配のおばさんで、わたしの顔をまじまじと見つめながら美容ルームから出てきた。
もうひとりは若い今どきの女の子だった。

「さくら、あっち人がONEの専属の美容師さんの理恵さんで
こっちのおばさんが明美さん」

おばさん、と言ったら明美の大きなげんこつが高橋へ突っ込んでいく。

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