【完】さつきあめ〜2nd〜

店内に大きなポスターが飾ってある。
華やかな店内を飾る、美しい女性。
約束通り、ゆりの大きなバースデーポスターが入り口に飾られている。

「ようこそ、ONEへ、さくらさん」

振り返り、そこに立っていた黒いスーツ姿の男に目を丸くする。

「え…何で?!」

そこに立っていたのは、高橋だった。
どうして?高橋はTHREEで現在副店長をやっているはず。

「結局ゆりさん派だったキャストは12月の半期だけONEに帰ってくる事が決まってるんだけど店長はどうにもならなかったみたい。
まぁ元々宮沢さんとは付き合いの長い信頼のある人だったらしいから、戻りずらいってのが本音だろうね。
そこで俺がONEの店長になったわけ」

「高橋くんが?!ONEの店長?!」

ゆりとの勝負をかけた戦いであるけれど、高橋はわたしを特別扱いするような男ではない。
けれど、誰も知らないお店で孤独で不安だったわたしにとって、そこに高橋がいるっていうだけで安心だった。

「まぁ期間限定ってやつだけど。
お前次第で期間限定にならないかもしれないけどさ」

「それは…あたしがゆりさんに勝てばって話ね」

「そう。それにONEで店長をすることを宮沢さんに頼まれた時、ひとつ条件を出したんだ」

「条件…?」

「そうっ!もしもONEが存続して、七色グループが存続するのならば、深海さんを社長にしてくれって!」

「ほんと………高橋くんの深海さんへの愛は計り知れないわ…
もしかして出来てる?」

大真面目でそう言ったら、高橋はわたしのおでこにでこぴんをした。

< 505 / 826 >

この作品をシェア

pagetop