【完】さつきあめ〜2nd〜

信じられない事が起こった、その週の土曜日。
ゆりとの売り上げの差はまだまだ開いたままだった。
けれど、雪菜や愛たちの助けもあって、ONEの雪菜派の女の子のヘルプも大きく響いていた。

ONEではゆりや雪菜たちに及ばないキャストであっても、ONEに務めているキャストであるという事はそれぞれに普通のキャバクラよりはレベルの高い女の子たちなのだ。
何でこんなに綺麗なのにナンバーにすら入っていないんだろう。そう思うくらい美しい人も沢山いたし、忙しい時にヘルプとして働いてくれる女の子の中には芸能人の卵もいた。
嬢ひとりひとりのレベルが高いのだ。

シーズンズからTHREE。
そして双葉でつかまえたお客さんも変わらず通ってくれて
ヘルプがレベルが高い事を喜んでくれる人もいっぱいいた。
会社を経営してる社長たちは忘年会シーズンも相まって、沢山の枝を連れて団体でお店を利用してくれた。
最初は好奇の目で見てきたONEのキャストたちも、少しずつ話をしてくれるようになった。有名店で働いてる女の子たちは皆それぞれにプライドを持って仕事をしていた。

「さくらさん、この間さくらさんの指名の枝のお客さんが同伴しようって言ってくれたんですよ」

「ほんとっ?!良かったですねぇ!!」

「ありがとうございます。
でも、雪菜さんみたいに本指名はさくらさんにしようかなーって」

「そんなのいいです!気にしないで下さい!」

「最初ONEに来た時はゆりさんに喧嘩売ったっていう人だからどんな人かと思ったんですけど…。
さくらさん、ヘルプでついたわたしたちにも優しくしてくれて気遣ってくれて本当にありがとございます…」

「いえいえ!こっちこそいつもヘルプなのに協力してくれてありがとうございます…」

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