【完】さつきあめ〜2nd〜
暫く小笠原と話をしていると、わたしは席から抜かれた。
その代わりに由真が来てくれて、「さすがね」とわたしに耳打ちをした。
VIPルームから出て、ホールを見渡すと、その光景に思わず震えあがった。
ほぼ満席で埋まっていた双葉の席に、よく知る顔が沢山あったからだ。
まるでバースデーのイベントのように、わたしのお客さんが来店していた。
「さくらさん、とりあえず7組お客さんがかぶってます。どのお客様から優先した方がいいとか希望ありますか?」
沢村がやってきて、わたしへ尋ねる。
「来てくれたお客さんから順番に…」
「わかりました。あ、後THREEの女の子も何人か来てますけど、どうしますか?
とりあえずそちらには先に挨拶だけでも行っておきますか?」
「え?!」
沢村の言葉に耳を疑う。
その先には、美優とはるなと綾乃がいて、それぞれのお客さんもいた。小さな団体が出来上がっている。
何も連絡を聞いてないわたしは驚いて、同時に怖くなった。
「多分皆さん同伴で出勤前に来てくれてると思いますから、先に挨拶しておきましょう。
シャンパンも沢山空いてますよ」
「はい…」
どうして?その言葉ばかり頭をめぐっていた。
自分勝手な事をして、友達だと思っていた人を裏切ってばかりいたわたしに、どうして…。