壊れそうなほど。
……困った。
佑介は数少ない、俺の友達だ。最初は「なんだこの偉そうなイケメン」と思ってたけど、何気に面白くていいやつ。
そういえば、俺らは今までなぜか一度も、女の話をしたことがなかった。他の話、まあ主に音楽の話が尽きなかったからかもしれない。
でも、その佑介が、沙奈を好き。しかもたぶん、相当好き。まじかあ……。
普通は単純に取り合いなのかもだけど、佑介がよくわからない理由で遠慮してるせいで、もっとややこしい。なんか気まずい。
「ね、佑介。昔って、高校時代?」
「…あー、まあね」
「そんな傷つけたのに、今仲いいのなんで?」
「うーん、それは……つーか、俺のことはいいよ。それよりも結婚の話な!」
佑介はこれ以上話したくないのか、急に話題を変えた。
「ユッキー。結婚、全力で阻止しろよ」
「は?」