壊れそうなほど。
明日は一限からだし、たまには早く寝よう。

のそのそとベッドに移動した。

8畳1Kのわたしの家は、家具という家具が全部モノトーンで統一されている。真っ白なドレッサー。あとのテレビやテーブルは黒だ。

潜り込んだ布団も、頭の下の枕も黒。

真っ黒な生地にゴシック調の模様が入ったこの布団カバーは、一目惚れして買った。

顎まで被った布団の黒を見ていたら、さっき頭の隅においやったはずの黒猫くん、もとい優輝斗くんの無愛想な顔が浮かんだ。

綺麗な顔立ちだし、あれでもう少し愛想があれば女の子にモテそうなのに。

……いや、余計なお世話か。十分モテてるのかもしれないし。わたしには関係ないし。

などと考えていたら目蓋が重くなって、部屋の明かりも落とさないまま意識が遠のいていった。





< 19 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop